不動産投資の良い結果
対象不動産の価格形成に直接に影響を与える地域特性を持っています。
近隣地域は、対象不動産の立地するいわば基盤となる存在です。
また、この地域は、その地域の特性を形成する地域要因の推移、動向によって変化しています。
評価基準は、近隣地域の範囲について具体的に示さず、鑑定評価の主体の判断に任せています。
評価基準・留意事項は、基本的な土地利用形態や土地利用上の利便性に影響を与える次の事項を、範囲判定に留意する必要があるとしています。
自然的状態に係るもの……次の三点があります。
河川……川幅が広い河川などは、土地、建物などの連たん性および地域の一体性を分断する場合があります。
山岳および丘陵……山岳および丘陵は、河川と同様、土地、建物などの連たん性および地域の一体性を分断する場合があり、日照、通風、乾湿などに影響を及ぼす場合があります。
地勢、地質、地盤など……地勢、地質、地盤などは、日照、通風、乾湿などに影響を及ぼすとともに、居住、商業活動などの土地利用形態に影響します。
人文的状態に係るもの……次の四点があります。
行政区域……行政区域の違いによって、道路、水道その他の公共施設および学校その他の公益的施設の整備水準ならびに公租公課などの負担の差異がある場合、その内容は土地利用上の利便性などに影響を及ぼします。
公法上の規制など……都市計画法、建築基準法などによる土地利用の規制内容は、土地利用形態に影響を及ぼします。
鉄道、公園など……鉄道、公園などは、土地、建物などの連たん性および地域の一体性を分断する場合があります。
道路……幅員の広い道路などは、土地、建物などの連たん性および地域の一体性を分断する場合があります。
B類似地域……類似地域は、近隣地域の地域特性と類似する特性を持つ地域です。
その地域に属する不動産は、特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを持っています。
この地域のまとまりは、近隣地域の特性との類似性を前提として判定されます。
同一需給圏は、一般に対象不動産と代替関係が成立し、その価格形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存在する圏域をいいます。
それは近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域などの存在する範囲を規定します。
東京の郊外の高級住宅地は西方に多く、著名な地域例として渋谷を起点とする東横線沿線の田園線のB地を選ぶのが一般です。
しかし、西方の高級住宅地を求める人が、その他の庶民的な沿線の住宅地を選ぶことはありません。
このように、西方のA地、B地との間には、画地利用、居住者の階層、都心との距離などに共通性が認められ、いずれも良好な環境を形成し地価もおおむね近い水準にあります。
このような例に、同一需給圏の具体例を見いだすことができます。
一般に、近隣地域と同一需給圏内に存在する類似地域とは、隣接すると否とにかかわらず、その地域要因の類似性に基づいて、それぞれの地域の構成分子である不動産相互の間に代替、競争などの関係が成立します。
その結果、両地域は相互に影響を及ぼします。
このことから、鑑定評価の方式の適用にあたっては、近隣地域に存在する事例資料だけでなく同一需給圏内の類似地域に存在する事例資料を収集し活用すべきです。
同一需給圏は、不動産の種類、性格および規模によってその地域的範囲を異にします。
そのため、範囲についてはその種類などに応じて適切に判定することが要請されます。
この判定にあたって、特に留意すべき基本的な事項として評価基準は、次を挙げています。
宅地-宅地の種別に応じ、次の事項があります。
住宅地……住宅地の同一需給圏は、一般に都心への通勤可能な地域の範囲に一致する傾向があります。
ただし、地縁的選好性(出生、生育した土地を好むことなどをいいます)により、地域的範囲が狭められる傾向も認められます。
なお、地域の名声、品位などによる選好性の強さが、同一需給圏の地域的範囲に影響を与える場合があることに留意すべきです。
商業地……東京・銀座の商店街は、東京全体、さらに関東一円あるいは全国の顧客を対象に営業を行っています。
一方、住宅街のなかのバス停留所付近に立地する小売店舗街は、その周囲の住民を顧客としています。
高度商業地の同一需給圏は、一般に広域的な商業背後地を基礎に成り立つ商業収益に関して代替性の及ぶ地域の範囲に一致する傾向があります。
その範囲は、高度商業地の性格に応じて広域的に形成される傾向が認められます。
普通商業地の同一需給圏は、一般に狭い商業背後地を基礎に成り立つ商業収益に関して代替性の及ぶ地域の範囲に一致する傾向があります。
ただし、地縁的選好性により、地域的範囲が狭められる傾向があります。
工業地……工業地の同一需給圏は、大工業地と中小工業地に分けられます。
港湾、高速交通網などの利便性を指向する産業基盤指向型工業地など大工業地の同一需給圏は、一般に原材料、製品などの大規模な移動を可能にする高度の輸送機関に関して代る地域の範囲に一致する傾向があります。
製品の消費地への距離、消費規模などの市場接近性を指向する消費地指向型工業地などの中小工業地の同一需給圏は、一般に製品の生産および販売に関する費用の経済性に関して、代替性を有する地域の範囲に一致する傾向があります。
移行地……移行地の同一需給圏は、一般にその土地が移行すると見込まれる土地の種別の同一需給圏に一致する傾向があります。
ただし、熟成度の低い場合には、移行前の上地の種別の同一需給圏に一致する傾向が認められます。
農地-農地の同一需給圏は、一般にその農地を中心とする通常の農業生産活動の可能な地域の範囲内に立地する農業経営主体を中心とする生産活動の可能な地域の範囲に一致する傾向があります。
林地―林地の同一需給圏は、一般にその林地を中心とする通常の林業生産活動の可能な地域の範囲内に立地する林業経営主体を中心とする生産活動の可能な地域の範囲に一致する傾向があります。
見込地-見込地の同一需給圏は、一般にその土地が転換すると見込まれる土地の種別の同一需給圏と一致する傾向があります。
ただし、熟成度の低い場合には、転換前の土地の種別の同一需給圏に一致する傾向が認められます。
不動産の価格は、前述の最有効使用の原則の内容に示されるように、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されます。
したがって、不動産の鑑定評価にあたっては、対象不動産の最有効使用を判定する必要があります。
個別分析は、対象不動産の個別的要因を分析してその最有効使用を判定することをいいます。
個々の不動産の最有効使用は、近隣地域の特性の制約下にあります。
個別分析にあたっては、特に近隣地域に存在する不動産の標準的使用との相互関係を明らかにすることが必要です。
なお、不動産の最有効使用の判定にあたっては、標準的使用との相互関係のほか次の事項に留意すべきです。
良識と通常の使用能力を持つ人が使用するであろうと考えられる使用方法であること。
使用収益については、短期的なものでなく、将来の相当期間にわたって持続できる使用方法であること。
効用を十分に発揮しうる時点が予測できない将来でないこと。
不動産投資の諸問題や諸事項について調査検討し、不動産投資の立場から、政策提言活動を行います。
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